おかげさまで完売いたしました。
ご覧いただき、ありがとうございました。
1 HRC(HONDA)のレーシングマシン RS250R
´92-RS250R NF5 最終進化形
今となっては大変希少な2ストローク純レーシングマシンHRC’92-RS250Rです。
RS250Rは、2ストローク249 cc V型2気筒エンジンを搭載するレース専用マシンです。公道は走れません。
ロードレース世界選手権GP250クラスなどのカテゴリで戦っていました。
2 サーキットを走りたい人にうってつけ
今回の出品商品は、走行時間が1時間未満のほぼ新品のレーシングマシンです。
ワンオーナーで自宅保管をしていました。今を遡ること33年前の1991年の春に購入予約をして、1991年の秋に納車されました。その後に試運転をしています。
購入後の保管は屋内保管を続けていましたが、自宅を新築してからは堀込ガレージで保管していました。ほぼ新品の状態ですが、経年の劣化があります。写真でご判断ください。
シリンダーヘッド以外は完全オリジナルです。マッチングナンバーで、出荷票もあります。
シリンダーヘッドがオリジナルでないのは、試験走行の際に当時使用されていた特殊な燃料(ELFまたはAV)に対応するためだそうです。
シリンダーヘッドのストーリーをこのページの下に書きました。ぜひ最後までご覧ください。
さて、本車両のオーナーですが、引退後に再びサーキットでの走行を夢見て30年以上大切に整備・保管してきました。
しかし年齢を重ねるにつれてサーキット走行をする機会がなくなってしまい、このままとても希少なバイクを放置するのが忍びなく、有効に使える方にお譲りするため今回の売却になりました。
(出品者はレーシングマシンの素人で 、代理出品者です。説明は素人目線の感想ですのでご容赦ください。)
時折オーナー自ら簡単なメンテナンスをしていましたので、カウル、タイヤ、サスペンションを外し、エンジンも下ろしています。いわゆるバラバラの状態です。
転倒はしておりません。写真でもわかるようにバーエンド、ブレーキレバー、ステップ、カウル、タンク、チャンバー、ハンドルストッパーなどに転倒の痕跡はありません。
また、シャシーなどの重要な部分に磨耗・歪みがありません。ベアリングの磨耗もありません。
ただ、いくら綺麗とは言ってもサビや保管・移動時にできてしまった傷等はあります。チェーンが錆びていたり、ハンドルホルダーが割れていたり、フロントブレーキのキャリパーのピストンにも傷があります。
室内保管・ガレージ保管をしていたため、紫外線による劣化は見られません。
しかし、33年の歳月を物語る経年変化はあります。
例えば空気中の水分による劣化です。ガレージ保管によってこれらの劣化が見受けられたので、分解・清掃・点検を行いました。
劣化というのは具体的には塗装の浮き・剥がれ、錆のことです。
エンジンやキャブレターなどを確認したところ、空気に触れない部分はピカピカに輝いていてきれいでした。清掃前でこの輝きです。
シリンダー内部にはオイル保持(焼き付き防止)のための細かな溝(クロスにスジ加工)があります。
ゴム・パイプ・プラスチック・配線・ケーブルに劣化は見られません。ゴムチューブはいまだに弾力を失っていません。
前輪・後輪ともにきれいにくるくると回ります。
カウル類は白塗装のままです。シートカウルにスポンジなどは貼っていません。カウル類に大きな割れなどは見当たりません。タンク左側面に経年による塗装の剥がれがあります。
スクリーンは透明感があって綺麗です。
ここで、オーナーからの指摘事項があります。
(1)劣化によって使えないもの
・タイヤ
・チェーン
・ハンドルホルダー
・フロントブレーキキャリパーのピストン
・新品のニッカド電池(RCバルブ作動用、おそらく過放電、代用品が必要)
(2)使用の可否は不明で交換を推奨するもの
・ブレーキパッド
・クラッチディスクプレート
・各種オイル・シール類の消耗部品
(3)その他にやっておくべきこと
・ホイール・タンク等の塗装(塗り替えは当然されるでしょうが…)
・フロント倒立フォーク インナーチューブの表面処理(再メッキ?)
上記のようなものに手を加えれば通常の整備で大丈夫だろうとのことです(保証はできません)。
こだわりにしたがってお好きなように弄れるベース車両。即整備・仕上げにかかれる手間いらずの車体です。
購入時の同梱パーツは全て揃っています。もちろんマニュアルなど書類一式も揃っています。当時の別冊パーツ価格リストもあります。
【シリンダーヘッドの秘話】
唯一オリジナルではないシリンダーヘッドですが、オーナーによると当時熊本のHSR九州の側にあったシェルトンガレージ後のRSCレーシングサービスセンターに顧客として出入りしていたことが切っ掛けで入手したものだそうです。
RSCを本拠にレース活動していたオーナーはそこのレーサー達と仲良くなり行動を共にしていましたがその一人宇川徹選手から直接譲り受けたものだそうです。
よってシリンダーヘッドだけは当時の宇川仕様でありその詳細は不明です。
テスト走行でついでにシリンダーヘッドもテストしてそのまま現在のエンジンに載ったままだそうです。
もちろんオリジナルヘッドも保管していましたが、長い年月の間に家のなかで行方不明になりいまだ捜索中だそうです。
<追記コラム>
レーシングマシンのエンジンの取り付け方はシビア
通常のエンジンをシャシーに取り付ける場合、エンジンの振動が直接バイク本体に響かないように振動を吸収するものが取り付けられています。例えば振動を吸収するワッシャーやゴム類です。
ところが、タイムをギリギリで競いあうレーシングマシンはひと味もふた味も違います。振動を吸収するものが何もないのです。シャシーとエンジンを直接取り付けます。こんなのは見たことがありません。
実際に実物を見てみましょう。
まずは取り付け部です。
シャシーの取り付け部とシリンダーヘッドの取り付け部です。
こちらがエンジンを取り付けるボルトとナット類です。
これらのパーツにもシムやアジャスターでシビアに調整する機能がついています。シムはエンジンとの隙間に挟み込んで隙間を埋めます。このバイクも場合は、厚いシム2枚とうすいシム2枚ぴったりだそうです。
しかもとてつもなく軽い!
こういった特殊なものはなかなか素人が見れないものです。さすがレーシングマシンです。
パーツ写真
3 希少なRS250Rをお譲りします。
販売価格:1,500,000円(税込)
当方はレースに素人の代理出品者に過ぎませんが、ご質問いただけましたらオーナーに確認をとります。お気軽にどうぞ。
引渡し方法は送付だけでなく現地での引取にも対応します。当方は大阪です。送付の場合、発送方法をご相談ください。
現地引渡しの方に不公平感が生じないように落札価格には送料を含んでおりません。
個人所有物のためノークレーム・ノーリターンでお願いします。
写真でご判断いただいた上で、引取時にご確認ください。
本物を求める方のご連絡をお待ちしています。
<訂正 2024.7.16>
破損箇所について誤りがありましたので2ヶ所の訂正をいたします。
「ステアリングステム」との記載は「ハンドルホルダー」の誤りです。以下のとおり訂正いたします。
(1)8段落目
誤「ステアリングステムが割れていたり」
正「ハンドルホルダーが割れていたり」
(2)「劣化によって使えないもの」の文中
誤「ステアリングステム」
正「ハンドルホルダー」
記載ミスで皆様にご迷惑をお掛けし、申し訳ございませんでした。
今後ともなにとぞよろしくお願いします。
ハンドルホルダーについて、追加説明いたします。
ハンドルホルダーとは、ハンドルバーとインナーチューブの間にありバーを取り付ける固定部品のことです。
ハンドルの根元部分は、通常ハンドルバーと一体化しているが、RSは微細な調整、バー交換できるように別体化しているそうです。
元々は転倒時の対策で他に衝撃を伝えないように真っ先にここが壊れるよう他のパーツに比べてわざとある程度弱く作っています。ある意味、消耗部品とも言えます。
当車体の場合は、転倒はしていませんが保管・移動の際何らかの力が加わったのでしょう。
当時の価格は8,000~9,000円/個くらいだったそうです。